より苦しい地方の経済事情―外部環境が企業の停滞を許さない―Ⅲ(おしまい)
それでは冒頭の
「そこそこの規模でそこそこの事業を営んでいれば、生き方としてはそれでいいじゃないか。」
といった、その社長の人生観、経営姿勢に対しては、どういった向き合い方をしていけばいいのでしょうか。
実は、私はその点をパネルディスカッションの会場でもパネラーの皆さんに質問しました。
「そういった考え方が成立するであろう都市部と過疎化高齢化が急激に進む地方とでは少し事情が違うのではないか。」
と。
これに対する各パネリストの回答は結構苦しいものでした。
というのは、この課題に関しては、例え有能なコンサルタントだったとしても、有効な解決策がなかなか見つからないからです。
疲弊し続ける地方のビジネス環境の中で、一人経営者だけが自らを鼓舞し、成長発展に向き合っていくのは精神的にもかなりきついことに違いありません。
私は彼らを応援しエールを送り続ける立場の人々、地域の金融機関や会計事務所、コンサルタントといったポジションの人たちが何かをすべきだと思います。
その具体的な方法として、絶えず何らかの形で経営に有効な情報を継続的に提供していくこと。
そして、やはりあの手この手で励まし続けること・・・そんなところかと思います。
わたしは、そんな中から積極的に事業の発展成長に向き合いたいと考える経営者が出てきたときは、満を持してコンサルティングを提供していくつもりでいます。
中小企業、特に地方のそれは当面苦しい戦いが続くでしょうが、いつの時代も必ず応援団というものはいます。
そのエールを受けて、己の事業の成長発展については、諦めることなく挑戦していただきたいと思います。
おしまい