「保守性」との戦いの中に商機を見つける―「革新」を成長の原動力に変えるのは経営者―Ⅰ
会社を経営していると様々な新しいアイデアに思い当たります。
「アイデアに思い当たる」・・・ちょっと変な表現ですね。
普通「アイデアを思いつく」とか「アイデアが湧いてくる」といった表現をします。
しかし、経営上のアイデアの場合まさに「アイデアに思い当たる」という表現が的を射ているのです。
というのは、行き当たりばったりの印象の強い「思いつく」でもなければ、クリエイティブなイメージの「湧いてくる」でもないからです。
普段、
「経営を少しでも上向かせるにはどうしたらいいか。」
というテーマを比較的ロジカルに考えている経営者にとって、試行錯誤の末、ようやく「これはどうだろう!?」というアイデアに「思い当たる」訳です。
そして、ここが大事なところなのですが、そうやって「思い当たった」アイデアは、先述のような単に「思いついた」ものではないので、実行可能なものが多いのです。
少なくとも、経営者はそう考えます。
ところが、これを下にまで降ろして、実行させようとすると途端に大きな反発を招くことになります。
部下にはそのアイデアの意図が始めよくわかりません。
これは当たり前のことで、それまで経営者はそのことばかり考えてきている訳ですが、部下は同じ目線でものを考えているとは限りません。
というよりは、ほとんど同じ目線でものを考えるということはありません。
これは「けしからん!」と怒ったところで意味はなく、立場が異なるので仕方のないことなのです。
その反発に関して、ここが面白いところなのですが、反発するときの「やりたくない。」「無理だ。」という理由に
「そんなのは、これまで聞いたことがない!」
というものがあります。
今まで
「聞いたこともやったこともないことなので、やるべきではない、やりたくない。」
という訳です。
彼らがこれまで経験したり見聞きしてきた情報の中に、今聞いたその新しいアイデアは含まれていなかったと言っているのです。
つづく