家電メーカーの分析により日本企業の問題点を洗い出す―その原因と解決策―Ⅵ
さて、長内教授のインタビューは次の指摘で終わっています。
家電メーカーがというより、日本企業全体が心すべき提言でしょう。
それは
・金儲けできる=「クール」
というタイトルで日本企業に対する重要な提言を、アップルのスティーブ・ジョブズを引き合いに出して述べておられます。
― 日本勢は、アイディアや技術は持っていますが、それをうまくビジネスに結びつけることができない。
理系と文系、開発と営業という枠組みがはっきりとしています。
これが良くない。
アップルを創業したスティーブ・ジョブズ氏はもともと技術者ですが、彼が技術者として語れることは少ない。
むしろ、マーケティングや商品企画、経営に秀でていたことが高く評価されています。
技術ではなく、商品を語る。―
スティーブ・ジョブズについては以前、映画を観たときの感想をこのブログで書いたことがあります。
ここで述べられている通り、マーケッターとしての彼の才能には驚かされたものです。
世の中に技術に秀でた人間というのは一定程度存在しますが、そのスキルをベースにしながらマーケティングセンスも備えた人材は稀有なのです。
そのマーケティングセンスや商品企画力、それらを組み合わせて経営そのものにフィードバックさせるマネージメント力、といったものが、今の日本企業には欠けているのでしょうか。
しかし、考えてみればかつてソニーの盛田昭雄、ホンダの本田宗一郎、京セラの稲森和夫、いずれをとっても、そんな経営センスの持ち主だったのではないかと思います。
つづく