中小企業における「広告宣伝費」の宿命―販売促進や広告宣伝について改めて考える―Ⅲ

経費削減を検討する際、その対象として真っ先に槍玉に上がるのが「接待交際費」と「広告宣伝費」。

この「接待交際費」についてはまたの機会に検討するとして、今回は「広告宣伝費」について考えてみたいと思います。

 

企業が経費削減の検討に入ったときに、槍玉に上がりやすい「広告宣伝費」。

一体、何故なのでしょうか?

 

それは、多くの中小企業の場合、業績が好調で資金に余裕があるときに

「じゃあ、広告宣伝にでも金を突っ込むか。」

といった程度の認識が一般的だったからではないでしょうか。

 

つまり、「広告宣伝費」というのは、企業活動において資金に余裕があるときのプラスアルファの経費だったのです。

そもそも地縁血縁をベースにした地方経済の場合、ここに高額の資金を突っ込むこと自体、周りから違和感を持って見られたかも知れません。

 

しかし、何回も申し上げてきましたように時代は変わりました。

今では「広告宣伝費」は、企業活動の中の重要なポジションを占める「戦略経費」として位置付けなければなりません。

この経費は、地縁血縁に支えられたこれまでの狭い経済圏を脱して、次のステージへ登るための重要な投資だからです。

 

しかしながら、「広告宣伝費」には大きな二つのややネガティブな特徴があります。

一つは、すぐには結果の計れない先行投資的な性格を持つということ。

もう一つは、そのほとんどが高額であり、中小企業にとって負担が大きいこと。

この二点です。

 

この二つの特徴があるために、中小企業は「広告宣伝費」に対してあまり積極的に向き合ってこなかったのです。

 

つづく