意識を「外」に向けることの意味―何倍もの結果となって還ってくる情報発信―Ⅰ
中小企業の支援を仕事にしていますと、社長さんたちは例外なく組織の「管理」という課題に直面しています。
特に、コンプライアンス(法令順守)がうるさくなってきた昨今、「管理」は避けて通れない大きなテーマなのです。
ただ、悩ましいのは「管理」は経営者にとってそれほど面白い取り組みではない、ということです。
おそらく「管理」が得意で大好きで・・といった経営者はそんなにいないのではないでしょうか。
何故でしょうか。
おそらくそれは「管理」が直接「利益」を生むものではないからです。
普通の場合「管理」に関して整備するというのは、お金がかかることはあっても、お金を生み出すものではありません。
ここが、経営者の心理にブレーキをかける一因だと思われるのです。
とはいえ、これを整備していないと、内外からとんでもないペナルティー(制裁)を受ける可能性が、昔に比べればずっと高くなっています。
また、社内管理体制の整備は、社員にとって働きやすい環境とか、きちんと保証されているという安心感を生み出す元でもあります。
つまり、間接的には「利益」に繋がらない訳ではないので、ここを整備することはもちろんそれなりに意義のあることなのです。
もう一つ、「管理」には大きな特徴があります。
それは「管理」はそのほとんどが、内側に向けたものであるということです。
つまり、従業員を含む組織の内部を「管理」することはあっても、外の存在であるお客さんを「管理」するということはあり得ません。
管理は利益を生まない、内側に向けたものである、この二つが管理の特長と言えましょう。
つづく