意識を「外」に向けることの意味―何倍もの結果となって還ってくる情報発信―Ⅱ
とはいえ、組織にとって管理体制というのは大事なものなので、経営者はかなり多くの時間を割いてこれと向き合わざるを得ないことになります。
そうすると、ここで少し困った問題が浮上してくるのです。
それは、経営者の中には「管理」と向き合って入るうちに「管理」そのものが「経営」と誤解する人が出てくるということです。
特に商売があまりうまくいかず、思うように「儲け」が確保できていないと、内に向かって「管理」にばかり目がいく経営者が出てくるのです。
事業がうまくいっていない場合の「管理」には、コストダウン、経費削減、リストラといった負の言葉が付きものになります。
特に「リストラ」は「管理」のマイナス面の究極の行きつく先、と言ってもいいのではないでしょうか。
もちろん冗費の削減は大事ですし、事業の局面によっては「リストラ」もやむを得ないケースもあるでしょう。
しかし、ここで怖いのは、このゾーンに入ってしまった経営者は、最も大事な役割である「外を向く」ということをしなくなるということなのです。
私はそんな経営者を何人も見てきました。
私は、経営者には常に「外」を見ていてもらいたいと思っています。
また、見るだけでなく「外」から常に何かを取り込んでいて欲しいとも思っています。
つまり、経営者には会社の「顔」として、情報の出し入れの「双方向」に関わっていただきたいのです。
単なる「管理者」となってこの役割を忘れてしまうと、事業の発展は覚束なくなります。
つづく