軽井沢別荘滞在記―旧交を温めた2日間―Ⅵ
せっかく軽井沢に来たからには地元の信州そばを食べよう、ということになった。
こういうとき若い人なら、すぐグルナビかなんかで地元の評判の店など見つけ出すのだろうが、おじさん3人は基本的にアナログである。
Mが昔の記憶をたどって、
「確か、軽井沢にはえーとなんとかといううまい店があったはずだが・・・・」
アナログおじさんは記憶まで曖昧である。
その店の名前をグーグルで探すという、中途半端なデジタル活用でようやく店の場所を突き止めることができた。
Mのイタリア車のナビがまたちょっといい加減で、場所の誘導がどうも的確でない。
おじさんの曖昧な記憶とラテンなナビを駆使してやっとなんとか件(くだん)の蕎麦屋にたどり着いた。
蕎麦はなかなかおいしく、私は「辛みそば」という、ダイコンの卸汁をつけ麺にして食べるという地元特有の食べ方でいただいてみた。
かなり辛かったが、胃には刺激になってよさそうである。
今夜も宴会になるので、昼はこれくらいで軽く済ませたのである。
昼食の後、東京で所用のあるMはそのまま帰り、私とKは別荘に残った。
この日はやはり同級生のOとFが軽井沢に来ることになっていた。
列車の着く時間に、私とKは軽井沢駅までKの車でO達を迎えに行く。
駅舎の階段を上がると、Oより先に着いたFが改札の近くで待っていた。
Oの乗った列車を待ったのはわずかな時間だったが、駅の吹き抜けは思いのほか寒く、軽井沢に来て初めて寒冷地の底冷えというものを味わった。
そうこうしているうちにOの列車が到着し、我々と合流した。
Kの車に乗った我々はそのままKの別荘には帰らずに軽井沢のSC(ショッピングセンター)へと向かったのである。
現代的な作りの軽井沢の駅舎。とにかく寒かったす。
つづく