「考える経営」の指標とは?―『考える経営者』が時代を作る―Ⅱ
それでは現代経営においては、何を指標に置けばいいのでしょうか。
景気云々というのはあくまでも他者依存、他者志向の考え方です。
周りの状況によって、自らも良くなったり悪くなったりすることになります。
これでは、まるで主体性というものがありません。
私は現代経営のバロメーターは「考える経営」か「考えない経営」かだと思っています。
「考える経営者」の中に成功を掴む者が現れ、「考えない経営者」は総じて下流に流されるだけだと思っているのです。
それでは、経営者は何を考えればいいのか?・・・・
この答えはもちろん「経営についてオールラウンドに考える」です。
経営者は、経営に関するすべての面をあらゆる角度から考えなければなりません。
但し、現代経営は昔に比べて複雑です。
考えなければならない課題は山積みと言っていいでしょう。
その多くの課題について、現代の経営者は「役割分担」という横糸と「優先順位」という縦糸を組み合わせる必要があると私は思っています。
まず、山積みになっているすべての課題を、経営者一人で解決していくのは不可能です。
経営者の大事な役割は組織の中にそれぞれの専任担当者を作っていくことであり、彼ら(あるいは彼女ら)に権限を委譲していくことだろうと思います。
これが組織を横断する「横糸」です。
次に、この多くの課題に優先順位をつけていくということです。
優先順位の付け方はこれもまた二通りあって、一つは「重要度」の優先順位、もう一つは「時間軸」の優先順位です。
この二つをマトリクスとして組み合わせます。
やり方としては、まず「時間軸」に従って順番をつけていく必要があります。
そこに「重要度」を絡ませていくことになります。
それを時系列に並べると次のようになります。
緊急性があって重要度の高いもの、緊急性があるけど重要度の低いもの、緊急性はないが重要度の高いもの、緊急性がなくて重要度も低いもの、と順番に手をつけてく必要があるのです。
これが経営者が意識すべき「縦糸」です。
経営を考えるとき、これらの「横糸」と「縦糸」を組み合わせることで、組織の運営を行なっていくのです。
つづく