町内唯一の生き残りとして思うこと
―町の変遷と私が取り組んできたこと―Ⅴ

ただ、これまでにない新しい業種へのアプローチとか、エリアを広げて顧客を開拓していくというのは、いわば量的な拡大ということになります。

これまでのサービス内容を変えずに、顧客の数だけを増やそうというものだからです。

 

この量的な拡大と並んで、もう一つ心掛けなければならなかったのは、質的な拡大というテーマでした。

これまでの税務会計のサービスに代わる新しいタイプの業務です。

 

このサービスの内容を変えなければ、新しい収益構造は生まれません。

とはいえ、税務会計のニーズが無くなっていた訳ではないので、従来の業務は残したまま、新しい業務を付け加えていく、という作業になります。

 

ということは、従来の業務を効率化、合理化する必要性がありました。

これまでの仕事に以前と同じ時間をかけていたのでは、新規の業務の入る余地がありません。

 

言うまでもなく、ここで絶大な威力を発揮したのが、当時普及し始めたパソコンでした。

特に会計の場合、コンピュータの最も得意とするところの「計算」が主たる仕事ですので、専用ソフトによる処理業務の効率化には目覚ましいものがありました。

当然といえば当然の話で、それまで算盤(そろばん)か電卓で処理していた訳ですから、ここの進化には劇的なものがあったのです。

 

ただし、この時点までの進化は、自ら取り組むことでコントロールすることができます。

実は、ここから先に大きな課題があったのです。

 

つづく