苦しいときに経営者は何にフォーカスすべきなのか―極めて重要な要素である「隠れ企業資産」―Ⅲ

企業業績が不振な時、どんな手を打つべきか。

経営者が、いったい何をしたらいいのか迷わざるを得ない、こんな時に振り返るべきは、やはり私が以前から提唱している「隠れた企業資産」なのです。

 

改めてその定義を述べてみますと

企業の理念や哲学、思いやこだわり、信条、受け継がれてきた伝統といったもの。更に、特殊な技術や人材、社長の人脈といった決算書上の『貸借対照表』には全く表現されない裏に隠れた無形の資産」

ということになります。

 

販売不振のときは、新たな販売促進策とともにこの「隠れた企業資産」に磨きをかけることを考えるべきです。

何故ならば、最も早く思いついて最も安易な愚策であった「値下げ」をしなくて済むからです。

しなくて済むというより、ここにフォーカスし、顕在化させてそれを発信していくことは、「値下げ」から最も遠い策と言った方がいいかも知れません。

 

そもそも「値下げ」の発想は「比較」からきます。

或いは「競争」があるからそっち(値下げ)へ行こう行こうとつい心が動くのです。

「我が社の商品或いはサービスは、どうせ(他社と)同じようなものなのだから、値段を低くした方が売れるだろう。」

と、つい思ってしまう訳です。

 

つづく