経営者像の違いは企業のあり方を決定するのか―日本のリーダー像を危惧する―Ⅲ(おしまい)
いかにもステレオタイプな捉え方とはいえ、日本の経営者像に危機感を覚えた玉塚氏は、以下のように考え行動した。
―「今のままの日本の経営リーダーでは、到底、彼らには勝てない」と心底思った。
「彼らに伍していけるような経営者になりたい」とも思い、講演会があるといつも質問攻めにした。
「なぜ、思い立ったのか」「苦労はなんだったのか」「経営で心がけていることはなにか」等々。―
「今のままの日本の経営リーダーでは、到底、彼らには勝てない」・・・これは、玉塚氏の言を待つまでもなく、近年あちらこちらで聞かれるようになってきた警鐘にも似た言葉である。
日本のビジネスマンは、中でも若き経営者候補であるビジネスマンはこのシビアな現実を肌で感じるべきだろうと思う。
残念ながら私の立場では、企業の、特に大企業のそういった状況は、映画やドラマで見たりマスメディアで読んだりと間接的に知る程度にしか理解していないが、玉塚氏の感じておられる危機感はなんとなくわかるのだ。
実際、東京電力、シャープ、パナソニック、東芝・・といった第1級の日本企業に、経営者の力量不足による破たんの兆候は表れているではないか。
私は地方の中小企業を支援する立場として、これはなにも上記のような大企業にだけ言えることではないと感じている。
経営者が大きく意識を変えなければドミノ倒しのように破綻の連鎖は起きるような気がするのだ。
玉塚氏のような経営者に、大いに警鐘を鳴らしてもらい、日本の経営者像をガラリと変えて行ってもらいたい。
おしまい