隔靴掻痒のビジネス支援―直接法か間接法か、悩んだ末に―Ⅶ
それからこの「経営計画の策定」という支援法は、直接外に向かってのものではない。
完全に内向きなものであることがその特徴なのだ。
まずは、経営者の自覚を促し、それを組織にまで浸透させた上で所定の目標を達成させるというプロセスを取る。
この途中で、顧客(お客さんの)への接点というものは一切出てこない。
それはまた別個に考えてもらおう、という趣旨のものなのである。
顧客の顧客へ、
「こういう販売促進を仕掛けてみたら?」
とか
「こういう斬新な営業手法がありますよ」
と言ったレクチャーを行なうのはコンサルタントの世界であろう。
会計人はあくまでもここには踏み込まない、というスタンスを取るのである。
我々会計人が、経営者と行なう「経営計画の策定」というのは、言わばナビゲーションを示すという行為である。
まず、大きな地図を俯瞰して、目的地を設定する。
これを車載のナビゲーションシステムにインプットすれば、目的地までの道筋を示してくれる。
一方、コンサルティングの世界と言うのは、目的地まで到達する方法まで具体的に考える。
車載ナビであれば、到達手段は車でしかないが、実際は電車であったり、飛行機を使ったりできる訳だ。
目的を達成するための有効な手段というものを、様々に考えアドバイスするのがコンサルティングの世界であろう。
つづく