隔靴掻痒のビジネス支援―直接法か間接法か、悩んだ末に―Ⅳ

売上を伸ばすのに一番手っ取り早いのは、既存客に提供している既存商品の単価を上げること、つまり「値上げ」である。

これができれば、仕入れや在庫を増やすことなく売上を大きくすることができるのだ。

ところが今の世の中、値上げを頼むなどということは、よほど勇気がなければできるものではない。

 

「ああわかった。じゃあ(これまでの付き合いは)もういいよ。」

などと言われて、取引停止にでもなった日には目も当てられない。

とはいえ、長年お付き合い願った仲、やむをえない事情をこんこんと話せばわかっていただけないこともないだろう。

 

ただこれは、経営計画の中に、確実なプラス材料として織り込むわけにはいかない。

値上げに応じてくれるかどうかは相手次第、極めて不確実な要素でしかないからである。

 

もっと難しいのは、新規顧客への売上拡大である。

これはまだ出会ってもいない相手に、こちらとの取引を納得させ、決断を促し、財布のひもをほどかせて購入、支払いをさせるところまでもっていかなければならない。

 

そのためには、様々にリサーチを行なって事前に見込み客を特定し、効き目のありそうな作戦を考えて営業をかけ説得し、こちらとの取引に応じてくれるまで考え得るあらゆる所定のステップを踏むことになる。

なかなか骨の折れる作業であることは間違いない。

 

 

つづく