隔靴掻痒のビジネス支援―直接法か間接法か、悩んだ末に―Ⅲ

経費の削減について一通り考えたならば、次は原価がどうにかならないものか、思案する

「あそこの仕入れを叩いてみるか。いやへそを曲げられたら結構厄介だぞ・・」

相手のあることなのでそう簡単にはいかない。

 

「とはいえ、こっちは金を払う立場だ。ちょっと強引にねじ込んでみるか・・」

社長はさらに考えるのである。

「待てよ。在庫管理の費用もバカにならないぞ。ネット販売をまめに利用してみるか。仕入れとしては、ちょっと割高になるが保管費用よりマシかも知れない。」

 

考えてみればいろいろとアイディアは出てくるはずだ。

出す方の金はできるだけ絞りたい。

ここの努力というのは、絞ったら絞った分だけ利益に跳ね返るので分かり易いのだ。

 

さて、一番厄介なのは「売上をどうやって上げるか。」である。

そもそも今の業績不振の原因は、売上が落ち込んできたからにほかならない。

根本的にはこいつを回復させないことには始まらないのだ。

 

売上の増大を、根拠をもって経営計画に反映させることは難しい。

何故ならば、経費や原価の削減と違い、不確定要素が大きいからである。

 

「売上」の世界が、経費や減価の世界と違うのはそもそもこちらの手の内にない、ということである。

財布を開いて金を出し、それをこちらに支払ってくれるかどうかは、あくまでも向こう(顧客)の意思にかかっている。

 

 

つづく