「のれん」と「ブランド」について考える―「あるもの」と「なるもの」の違い―Ⅳ
私が、自分の事務所をブランド化しようと思えば、大きく次のような2通りのやり方があるだろう、と思っている。
ひとつは、規模を大きく拡大して様々なタイプの部署を作り、会計税務、経営、リスク管理など、我々が手掛けている周辺のあらゆる業務をワンストップで処理できるような存在になることである。
こういった規模の大きさは利便性と安心感を生むと思っている。
頼む方も働く方も一定の規模以上が確保されていれば、頼れる存在としての認知度は高くなるのではないだろうか。
もう一つは、どこか専門性をうんと特化して、その分野に関しては他の追随を全く許さない、といった存在になることであろう。
「このジャンルの仕事はあそこに任せれば安心」
という評価を定めることができれば、それは一つのブランドして認識されたことになるだろう。
この専門特化という道筋については、比較的取り組みやすい業種でもある。
税務会計という狭い枠組みから少し視野を広げて、クライアントさんの困りごとに対して何ができるだろうか、と柔軟に考えたとき、様々な専門性が想定されるからである。
特に「経営支援」という枠にまで広げて考えれば、むしろ「専門性」を持って取り掛かなければ解決できないような問題も多いのだ。
つづく