メディア化戦略とブランディングⅠ
前回のシリーズで取り上げた「メディア化する企業はなぜ強いのか?」(小林弘人著 技術評論社)という書籍には、今後企業が進むべき方向性に関して、さらに詳しく興味深い指摘がなされていたので、この点についても触れてみたい。
企業のブランド力について次のように述べている。
― デジタルの世界は、すべてを情報によって差別化します。
価格、スペック、デザインが似たり寄ったりであれば、もはや勝負どころはブランド力です。
つまり、物語とそれを形づくるコンテンツ発信力、そして、ソーシャルメディア上の消費者の評価ということになります。
それをドライブするのはコンテンツ力です。
つまり、決め手は発信される情報の中身です。―
私の場合、この点は特に意図的ではないが、ずっと考え続けてきたのかも知れない、と思う。
私は、この業界に入った当初、会計事務所というものがそんなに差別化されているとは思わなかった。
税務申告書の作成代行という仕事に限って言えば、どこの事務所もそんなに差がつくはずがない。
法律や制度に忠実に従って作成すればどこの事務所が作っても同じになるはずである。
また同じにならなければおかしい。
ということは、ここの仕事のみを普通に行なっていても差はつかないことになる。
私自身、最初から「情報発信が大事!」と強く意識していたわけではなかったが、何かしらの形で事務所の存在を世に知らしめていかなければ、とは思っていた。
つづく