30年早い!―ゴールデン街異聞2―Ⅰ
酒場での説教はするのもされるのも嫌いである。
ま、酒場に限らず説教が好き、という人はあんまりいないだろう。
が、しかし、先日のゴールデン街では黙っていられなくなった。
前にも何回か書いたがゴールデン街にはもう40年以上通っている。
といっても1件の店に通い詰めているだけだが。
ただ、この「1件」というのが大事なのだ。
店のママさんも常連の私たちもこんなに長く続くとは誰も思わなかったであろう。
しかし、あと数年で50周年となった今でも、その店はまだ続いているのだ。
振り返ってみれば、私はそのママさんが店を始めてから2年後くらい、20歳の頃から通っていることになる。
先日訪れたらカウンターの中にはママではなく、アルバイトの中年女性が入っていた。
初めて見る人だ。
数人いた客にも見知った顔は誰もいなかった。
まあ昔からの常連客はみんないい年だし、ほとんどが大酒飲みだったのでその多くは亡くなってしまったが・・
しばらくすると、何人か人は入れ替わったものの、カウンターは客でいっぱいになった。
中の女性をはじめ、やはり誰も知らないメンバーである。
つづく