税理士の仕事ってⅧ
「それがわからないから苦労しているんじゃないか!」
という声が聞こえてきそうだが、私は「答え」はあるにもかかわらず、それにチャレンジしようとしていないからだ、と思っている。
これまで述べてきた中で「標準化(コモディティ化)」され、高い料金が貰い辛くなったのは、会計における一連の作業のうち「処理」「入力」といった前半の入口部分である。
この部分は定型的画一的な作業であるために、現在の技術をもってすれば標準化、自動化がやりやすかった。
で、当然のようにそうなってきた。
それでは定型化画一化しにくいのはどの部分であろうか。
それは、
「自動的に処理入力(インプット)され、導き出された会計データ(アウトプット)をどのように活用するか。」
という部分であろう、と私は思っている。
会計データというものは当然一定の法則によって導き出される。
その法則がバラバラであっては、例えば「課税」といった法律上の公平性が保たれなくなってしまう。
この「法則」が働くから標準化もまた可能なのである。
しかしながら、導き出された会計データを企業経営にどう活かしていくかは、その企業その企業によって異なってくる。
なぜならば、規模の大小、業種などそれぞれの企業の置かれている事情は様々だからである。
つづく