柔軟な年寄り―最強の組合わせ―Ⅱ(おしまい)
なんだか話が明後日(あさって)の方へ行ってしまった。
えー、そんな私が今でも「すごいなー!」と思うのは、セブン&アイ・ホールディングス会長・CEOの鈴木敏文氏である。
この83歳のお爺さんの柔軟性は半端ではない。
最近も「日経ビジネス」の「賢人の警鐘」というコラム欄で次のようなタイトルでしゃべっておられた。
「できないと判断しない。インフラとなったコンビニは究極の変化対応業だ。」
このコラムの中でも、やはり次々とその柔軟性を証明するかのような発言を繰り返しておられた。
昔、24時間営業に反対され、それを押し切った頃を振り返って
「世の中の変化に対応し、新たなニーズに常に目を向けてきたことで、セブン・イレブンは今では生活のインフラと言っていただける存在へと進化した。」
と述べておられる。
また、
「企業の都合で『できない』と判断してはいけない。これが私の一貫した考え方だ。(中略)私はお客様の立場でシンプルに考えただけだ。」
と、言われる。
これは、鈴木会長の著書を読んでいても、確かにずっと変わらない主張である。
コラムの最後
「どうすれば消費者のニーズに応えられるのか。競合のまねはせず、世の中をじっと見て自分の頭で考えることだ。(中略)あらゆるニーズを取り込み進化が続く。コンビニは究極の変化対応業だ。」
と、結んでおられた。
この老人、経験と洞察力、それに柔軟性が加わった最強の組合せを持っている。
おしまい