サービスの対価Ⅴ(おしまい)
その「メイン商品」を、極端に低い価格か「タダで提供しろよ」という話は、まともに受けられるものではないのだ。
にもかかわらず、サービスといった「目に見えない商品」に対する支払いについては、しばしば上記のようなことが起こるのである。
おそらく税理士の場合「顧問契約」がメイン商品と思われているために、人によっては、スポットでの相談などは「無料サービス」でいいよね、という意識が働くのだろう。
但しこれは、もともと「顧問契約」を結んでいただいているお客さんの話であって、そのベースがないのに、それなりの専門性が必要で内容的にもボリュームのある相談事を「無料でお願いね。」という世界はない。
税理士に限らず、専門性や特殊なノウハウにはそれなりのお金がかかるのだ。
我々はその専門性を手に入れるために、それまでに膨大な時間とエネルギーとコストを費やしている。
もちろんどんな専門家にも適正な価格というものはあるし、客の懐(ふところ)具合が厳しいときにはそれなりに交渉してもらってもいい。
ただ、最初から「無料(タダ)でいいよね。」という感覚だけはいい加減やめて欲しいのである。
おしまい