専門領域と一般領域の境界Ⅰ
例えば、我々税理士が、一般の方に税務や会計について、極めて専門性の高いお話をしてもおそらくチンプンカンプンだろう。
それが、専門用語の羅列であればなおさらである。
よほど予備知識の豊富な人か、もともと税務会計に興味津々といった人でなければ面白くもないはずである。
なおかつそんな人が世の中にそれほど多くいるとも思えない。(ほとんどいないだろうと思う。)
我々税理士が専門領域についてことさら詳しく話しをするのは、同業者が集まった研修や勉強会の時に限られる。
当り前の話だが、このときは、専門用語を駆使しようが、細かい点をいくら掘り下げようが一向に構わない。
この点は、業界紙や専門誌に寄稿するときも同様である。
専門性がかなり深くなるので業界用語や専門用語を駆使することになる。
その代わりうっかりした事を書くと同業者からの鋭い突っ込みが予想され油断はできない。
一方、税法が改正されたり、会計の制度が変わったりしたときには、必要に応じて一般の方にもその内容をお伝えすることになる。
例えばそれがセミナーであれば、できるだけ分かりやすく解説しなければならない。
その際に、我々の専門用語を駆使して微に入り細に入り話したら、おそらく聞いている人の何分の一も理解できないだろう。
というより、そもそも受け入れてもらえないだろうと思う。(たぶん寝てしまう)
つづく