観光産業に見る日本の産業構造の問題点Ⅲ
様々な業界が「変わらない、変えられない」という根っこには以下のような障害が横たわっているのではないだろうか。
その障害の強い順に分類してみる。
- 業界のタブー
- 業界のルール
- 業界の常識
どんな業界にも触れてはいけない「タブー」というものがあるだろうと思う。
例えばある業界のトップの権限が強大で、その人物に対する批判などとても口に出せない、といったケースである。
もう昔のことになるが、かつて日本医師会に君臨した武見太郎会長などはその典型ではないだろうか。
あの頃、武見会長に対する批判や非難などおよそ考えられなかったに違いない。
かつての西武グループなどにも同じ体質を感じる。
こういった、ひとつの政権への権力集中が強大で、かつそれが長期政権となった場合、必要があってその業界の体質や構造を変えたくても変えられない、といった事態が考えられるのである。
こういったトップ人事の問題だけではなく「業界のタブー」的なものは他にも存在するだろう。
しかもそれはイメージ的にはどちらかと言えば「マイナス」の性格を帯びたものが多い。
だからこそ「タブー」と言った位置付けで、業界内の人はあまり触れないし、変えることも難しいのだ。
つづく