会社と社長の金銭取引
中小企業では、社長の個人資金を会社に貸したり、反対に社長が会社から資金を借りることがしばしば見受けられます。しかし、こうした貸し借りをすぐに精算できているでしょうか?長期間残っていることはありませんか?
長期未精算の仮払金はイメージダウン!?
・税務調査において貸付金とみなされ、認定利息が課税されることがあったり、金融機関は、「私的な支払いがあるのでは?」といった見方をします。また、社内体制がルーズであると見られるかもしれません。これは、会社にとって大きなマイナスイメージがついてしまいます。融資の際にも、仮払金の精算を条件にする事もあるようなので気をつけましょう。
仮払金の基本!!
・早期に精算(当月処理)と内容把握
こんな時は気をつけましょう
①会社が社長から金銭を借りた場合
・社長個人の資金の出所を明確にしましょう。金融検査マニュアルでは、社長からの借入金も自己資本と考えて、債務者区分の判断が行われます。
②会社が社長に金銭を貸し付けた場合
・決算書上は会社の資産となるが、残高が前期と同額などの場合「現金化できない不良債権」「公私混同」とみなされて融資の際に評価が下げられます。
□会社と役員との金銭の貸し借りの税務上の注意点
①会社が役員から借り入れる場合
・無利息であっても原則的に問題ない
・役員が利息を受け取った場合、所得税の申告が必要になる
・利率(利息)が高すぎると高すぎる部分がその役員の給与になる。
・役員の貸付金は相続財産になる
②会社が役員に貸し付ける場合
・借りた役員は会社に利息を支払う必要がある
・利率は1.8%(平成27年現在)以上とする。なお利率を1.8%未満とすると1.8%との差額が役員の給与として課税される
本来、仮払金とは長期間あるいは多額に残ってしまうものではありません。しっかりと内容を理解して出来るだけ早期に処理をするよう心掛けて頂きたいと思います。また、理由・期間・利息・返済予定について株主総会や取締役会の承認決議を得て、議事録に残すとともに契約書を取り交わしておきましょう。