計算式に秘めた価値判断基準は?―信頼度に格差、その差を埋める数式は・・―後編
私とパートナーを組んでいる女性税理士のSさん。
どうもお互いの信頼度に格差があるなあ・・とは思ってはいたが、とにかく二人で「税理士法人」を経営している。
ところで「税理士法人」というのは、時代が要請した一つの制度だと思う。
業務の領域がかなり広がってきた現在、一人の税理士では処理できる範囲が限られてきている。
かといって、税理士資格は基本個人に所属するものなので、個人と個人が寄り集まってもなかなかうまくいくものではない。
そこで、「税理士法人」という一つの制度、枠組みが作られて、業務の幅を広げたり、組織的な運営を図ったりすることが少し便利になったのである。(制約もいろいろありますが・・)
だから、当然のことだが「税理士法人」は二人以上の税理士がいなければならない。
ただ、先述したように税理士というのは極めて個人的な職業でもある。
一国一城の主(あるじ)たちが、寄り集まって組織を運営するのは、一般の法人と違って難しい面がある。
よほど馬が合わなければ、なかなか長く続くものではない。
実際、私の周りでも法人化したものの、その後解散してしまった知り合いの税理士さんも何人かいる。
全国的にもそんな事例は多いのではないだろうか。
私は、Sさんと組むときに、一番の価値判断の基準を「信頼」ということに置いた。
何よりも「信頼」がなければ始まらない。
彼女に関して、全幅の信頼を置いて構わない人物、と私は評価したのである。
ただ、ここで少し困ったことに気がついた。
それは、冒頭述べているように、こっち側の信頼は厚いものの、どうも向こうはそうでもなさそうということなのである。
まあそれは、自分の性格を振り返ってみると、致しかたないところではある。
意識において、相当の格差があることはわかっていた。
にもかかわらず、強く連携を要請したのは、私みたいなタイプにはしっかりしたパートナーが何としても必要である、と踏んだからにほかならない。
かといって、彼女が一方的な被害者になってしまっては申し訳ない。
そこで、この意識の格差を埋めるべく、無い知恵を絞りに絞って考えたのが、先述の計算式だったのである。
しかし、この計算式、なかなかいいんじゃないかと思っている。
なんか、すごい一方通行に見えるけれど、こっちには「彼女を信頼しきる」という覚悟ができているからである。
その点はブレないのだ、エッヘン。(と、威張ることではありませんが・・)
私はもともと管理するのも管理されるのも好きではないし、ガチガチのお堅い感じもどちらかといえば苦手な方である。
とはいえ、仕事の特性からしてルールや法律はしっかり守らなければならない。
そこのところは、彼女を含め真面目な社員たちが日々きっちりとした仕事をやってくれている。
私の得意分野は、そことはやや違うところにある。
その点については、このブログやほかのコラムなどでも割と長く書いてきているから、よかったら読んでみていただきたい。
そんな、二人の異なるタイプの税理士で成り立っているのが、我が税理士法人なのである。
ボスのアバウト過ぎる性格にやや心配する向きもあるかも知れないが、ここまで書いてきたように組織的な守備体制はしっかり構築しているから、このユニークさを是非プラスに評価してお問い合わせなど願えれば幸いです。
所内セミナーでの勉強風景。
新しい知見などこうやって充実させています。
おしまい