本を読むことについてⅣ(おしまい)

また、牟田學氏は、本を書くという作業においてばかりではなく、事業そのものを目指すという資質においても、「勉強をする」或いは「本を読む」ことがどういうポジションにあたるのか、次のように書いておられる。

 

― 記憶力が勝った人は、創業するのに不向きなことが多いし、他の道を選び、事業の道は選択しない。

大抵、役人や学者になる。

記憶力の人は、書や他者に学ぶことが多い。

それに対し新しい事業や商品やシステムは、画期的で、前例がないというところに価値がある。

繁盛店も、成功も、模倣や真似事の中にはない

社長に大事なのは創造力である。―

 

「ものを書くのに本を読むのか読まないのか。」という話から随分飛躍してしまった。

 

本を読む、知識をつけるというのはいわばインプットの作業である。

ここでは勉強した総量や記憶力の良し悪しで差がついてしまう。

 

しかし、創業や事業経営は、アウトプットをしなければ始まらない。

これは全くの別物なのだ。

 

現代は、ややインプット偏重の時代なのかも知れない。

今回、私が取り組んだように

「紙と消しゴムとまっさらな白い紙だけを前にして、頭の中の何かを絞り出す。」・・・

この作業、ときどきチャレンジしてみてはどうだろうか。

 

 

 

おしまい