流行が大きく変わったとしても、もう知ったこっちゃない。―ファッション雑感シリーズ2「着道楽」?楽しく、面白く生きるのが、私の人生の目標(by石津謙介)―Ⅵ
【着るのが好き?見るのが好き?】6
さて、ここまでの人生、ものごころがついてから「着るのが好き」を通してきた私だが、そのためには、どうしても「買うのが好き」がペアにならざるを得ない。
一部の金に糸目をつけない人たち、或いは「買い物依存症」と呼ばれる人たちならともかく、「買うのが好き」にはおのずと限界がある。
それに、昨今流行りの「断捨離」にも反することになる。
実際、「着るのが好き」がおしゃれになることを一つの目的とするならば、「持つのが好き」は、必ずしもその目的に叶うわけではないのだ。
そこで、もう残り少ないであろう人生を、適度に「着道楽」を楽しみながら、すっきりとシンプルかつ充実したものにしたいと考えた。
そのためには、身の回りの「モノ」に関して、所有する品数をもっと絞っていかなければならない。
その対策として、品質に優れた世にいう「定番」といわれるものに集約していこうと考えたのである。
長く使いそうなもの、長く着られそうな服に絞っていくことにしたのだ。
そうすれば、もっとすっきりと身辺が片付くはずである。(結局一時的に「モノ」が増えるんじゃないの?という声は無視して・・・)
そんな方針のもと、時計や筆記具は、なんとか定番的な逸品を手にすることができた。
こういった「モノ」は、実際長く使うし場所も取らないので、持っていても管理するのはさして難しい話ではない。
問題は「着るもの」である。
こっちは、結構かさばる上にやはり「流行」という奴がある。
いくら「スタイル」を我がものにしたといっても、流行を全く無視するわけにはいかない。
しかし考えてみた。
長生きをしたとしても、せいぜいあと20年かそこらである。
その間に流行が大きく変わったとしても、もう知ったこっちゃない。
だいたい、服を着ている中身自体が古くなっているのだから、着ているものが古臭さかろうがなんだろうがかまやしない。
というわけで、お気に入りの「定番」を身の回りに適当にそろえて、あとはちょこちょこと買い足したりしながら「着道楽」を楽しむことにしたのである。
まあ、たったこれだけの結論に達するのに、随分紙幅を使ってしまったが・・・・
定番をこんな風に着こなせたら・・・・・
つづく