令和5年度 再構築補助金の概要発表
12月2日に令和4年度第2次補正予算が成立し、事業再構築補助金が令和5年度も引き続き継続される予定となりました。
これを受け、新たな制度概要も発表されました。
今回は、申請件数が多くなることが予想される応募枠に絞ってポイントをご紹介します。
成長枠(旧通常枠)の売上減少要件撤廃!
これまでの通常枠は「成長枠」へと名称が変更となります。
また、これまではコロナ以前と比較して売上が10%以上減少。あるいは付加価値額が15%以上減少していなければ申請することができませんでした。
令和5年度からはこの売上減少要件が撤廃されます。
これで申請のハードルが少し下がると思われましたが、新たに別な要件が設定されます。
どうなる?新たな申請要件
新たな要件とは・・・
「過去から今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属している」こと。
では、どの業種業態が対象になるかは現時点では公表されておらず、公募開始時に事務局が指定する予定となっています。
国の成長産業を今後急速に成長させるという方針が、強く押し出された内容ですね。
個人的には、前向きに成長しようと日々頑張っている企業が少しでも多くこの補助金を活用できるよう、できる限り多くの業種を対象としてもらいたいと願っています。
補助率・上限額は引き下げだが、賃金アップでインセンティブ付与
現行 | 新制度 | |
---|---|---|
補助率 |
中小企業:2/3 (6,000万超は1/2) |
中小企業:1/2 |
上限額 【従業員数による】 |
【20人以下】 2,000万円 【21~50人】4,000万円 【51~100人】6,000万円 【101人~】8,000万円
|
【20人以下】 2,000万円 【21~50人】4,000万円 【51~100人】5,000万円 【101人~】7,000万円 |
補助率、上限額ともに引き下げとなっていますが、大規模な賃上げを実施する場合は、補助率がアップされることになります。
現行の「大規模賃金引上枠」が上乗せ枠として成長枠に組み込まれる形となり、
① 3~5年間で事業内最低賃金を年額45円以上引き上げ
② 3~5年間で従業員数を年率平均1.5%以上増員
以上の2つの要件を両方満たすことで、補助率が1/2から2/3へアップします。
なお、補助率アップに伴う差額は、実績報告で要件達成の確認ができた後に支払われますので、注意が必要です。
その他の拡充事項
産業構造転換枠の新設
成長枠の申請が成長業種に限定されるのに対し。市場規模縮小により事業再構築が強く求められる業種業態が申請対象となります。なお必須要件は下記の2点です。
① 10年間で市場規模が10%以上縮小する業種・業態
② 地域の基幹大企業が撤退することで、市町村内総生産の10%以上が失われることが見込まれる地域で、その基幹大企業との取引が売上の10%以上を占めること。
※ ①については各業界団体が要件を満たすことを事務局に示した場合に指定されます。
※ ②は自治体が資料を作成、事務局に示したうえで指定されます。
今回は主に「成長枠」についてまとめてみました。
他の応募枠につきましては詳細は下記のURLをご確認ください。
「事業再構築補助金ホームページ」
令和5年度の事業再構築補助金は、令和5年3月下旬から公募開始予定です。
申請には、充分な準備期間と事業計画作成が必要です。
申請を検討される事業様は、早めに準備にとりかかることをお勧めします。