「依存体質」という抜きがたい精神構造―助成金のあり方使い方について改めて考える―Ⅴ
さてここまで、補助金或いは助成金について
1、元々やろうと思っていた事業があったが、その事業計画にちょうどぴったりの助成金があることがわかったので申請してみた。
2、資金の目途がついたらやろうと思っていた事業計画があったが、ちょうど当てはまるような助成金制度があったので申請してみた。
という2つのパターンについてみてきました。
いよいよ最後の
3、元々事業などやろうと思っていなかったのだが、おいしい助成金があると聞いたので、その助成金に合わせた事業計画らしきものをこしらえて申請した。
というパターンについて考えてみたいと思います。
とはいえ、まじめな経営者の中には、
「本当にそんなケースってあるのかよ。そんなことを考える奴は、下手すれば詐欺行為になるのではないか!」
と思われる方もいらっしゃるかも知れません。
その通りです。
2番目の「助成金が下りたらやるけど、下りなかったらやらない・・」というパターンにしても、本来の助成金というものの趣旨からすれば、ちょっと外れた考え方といえなくもありません。
しかし、3番目の「助成金だけをかすめ取ってやろう・・」という考え方というかマインドだけは、前の2パターンとはまるで違う話になってきます。
助成金の趣旨とは根本的に相いれないというか、そういった制度を根っこから壊していまいかねない考え方であり、行為ということになります。
だから
「そん奴はきっといないだろう!」
と真面目な人が考えるのは無理もないところです。
しかし、以前このブログでも取り上げたことがあるのですが、私は税理士として何人かそんな人に遭遇したことがあります。
そういう考えの人は、私にとって想定外だったので、逆に「助成金」というものについて、改めて考えてみるきっかけにもなりました。
この助成金という制度は、中小企業、特に地方の中小企業における経営に対する姿勢、考え方等に密接に関係があると思います。
それは「依存体質」という抜きがたい精神構造です。
つづく