「情報発信(アウトプット)」という「ひと手間」によって確実に身につく―「情報発信力」は先を見通すための不可欠な要素―Ⅲ

仕事上で得ることになった経験や知識、それ以外の場で学習したことなどをインプットすることで「洞察力」は磨かれていきます。

ただ、それだけではまだ不十分で、これを確実なものにするためには、それらを咀嚼し「情報発信(アウトプット)」する必要があります。そこまで実践した時点で、初めて深い「洞察力」が身についていくのです。

 

この「情報発信(アウトプット)」の際に、「洞察力」と同時に身についていくのが「先見性」といえましょう。

「洞察力」を磨くために仕入れた知識や情報は、その時点ではまだ混沌とした状態です。

 

「洞察力」を磨くという意図をもって仕入れているとはいえ、これらの知識や情報は、まだ海のものとも山のものとも判断のつかない素材に過ぎません。

これらを咀嚼して考察を加え、仕分けすることで、自らに必要なものとそうでないものに分類されるのです。

 

例えば、最先端の経営手法や考え方のタイトルに惹かれ、期待して購入した書籍があったとします。

それが期待外れだった、或いは期待通りだった、いや期待以上だった、というのは購入して読んでみなければわかりません。

 

そこで、期待通りだった、或いは期待以上だったという時には、その感想を「情報発信(アウトプット)」してみるのです。(「期待はずれだった」ということを書いてもかまいませんが・・・)

そうすることで、その本から得られた知識は、より確実なものになります。

 

「本を読む」という行為によって仕入れた知識や情報は、この時点で咀嚼され、やがて「洞察力」を磨く糧となり、同時に上記の例の場合そのタイトル通り「先見性」を身につける基盤となるのではないでしょうか。

仕入れただけの生情報も、この「情報発信(アウトプット)」という「ひと手間」を加えることで、「事業経営に役に立つ知見」へと昇華するのです。

 

この「情報発信(アウトプット)」にかける「ひと手間」は、はじめ面倒なものに思えるかも知れません。

しかし、せっかく時間をかけて仕入れた情報や知識が、さほど定着しないで終わるよりは、この「情報発信(アウトプット)」という「ひと手間」によってより確実に身につくのであれば、こちらの方がはるかに効率的といえます。

 

 

つづく