「プロダクトアウト」と「マーケットイン」についてⅣ

五藤氏の見解については、私も全く同感である。

「消費者やユーザー、顧客、取引先が感じている、見えない空気のようなものをとらえて、それを具現化させて商品・サービス化させること」

が、まさに重要なのであり、既存の価値観や考え方見方にとらわれていては、新しい商材は生まれてこない

 

おそらく五藤氏は、この見解を通じて

「だから、(市場にニーズを聞く)マーケティング的アプローチではだめなんだ。」

といわれているのだろうと思う。

しかしながら私の場合、実はこの領域までマーケティングの範疇に含めている。

 

私の本にも書いたことであるが、市場で既に求められているもの、既に顕在化している需要を「市場ニーズ」と呼び、五藤氏の言われる「見えない空気のようなもの」を潜在的需要「市場ウォンツ」と私は呼んだ。

 

私は著書の中で、この「市場ウォンツ」をとらえることこそがマーケティングの醍醐味なのである、と書いたのだ。

そういう意味では、ここに書かれた五藤氏の見解と一致するのではないか。

 

「ウォンツ」については、五藤氏はマーケティングの範囲に入れておられないが、私は入れている、というだけの違いであり、いずれにしてもここが重要と考えている点は一緒なのである。

 

 

つづく