ど、どのテーマもデカいなあ・・・―AO入試の思い出、親子奮闘記―Ⅱ
翌年に大学入試を控えて、ある日娘が持って帰ってきたAO入試の応募要項。
それまで、そんな制度があるらしい、程度にしか知らなかったこの制度に我が家はもろに向き合う事態となった。
今まで経験したことのないこのテーマに取り掛かったのは、まだ、入学試験前年の秋口だったと記憶している。
さてそれから、わが家のAO入試突破大作戦、しかも、家族を巻き込んだ総力戦が開始されたのである。
事務的な手続きは、受験生である次女本人と学校側に任せるとして、とにかく、ほぼすべて小論文形式であるAO入試の課題を見てみることにする。
これをクリアできなければ「合格」の2文字を獲得することはできないのだ。
恐る恐る「2005 AO型入学審査 コミュニケーションシート」と書いてあるその冊子をのぞいてみると、まずは「本学を目指した理由」といった妥当な質問から始まっている。
このあたりは、どこの大学も当然聞いてくる質問だろうと思う。
ただ、今回受験を試みているのは、キリスト教系の背景を持つ大学であった。
そうなると、当然、こういったキリスト教系の大学の特徴ともいえる「哲学」とか「宗教」とかについて問いかけてくるのだ。
「世界平和についてあなたはどう考えるか」
なんていう大きな課題も設定されていた。
こんな崇高かつ形而上学的なテーマなんて、私の子供たちに限らず、ほとんどの人が普段考えたこともないだろう。
もちろん、私もないし、カミさんもありそうにない。
「な、なんか、どのテーマもデカいなあ・・」
と、戸惑い顔の娘だけでなく、私も絶句してしまった。
とはいえ、どうあれこの崇高なる課題に対して向き合わなければならない。
かくして、世俗の楽しいことばかり追っかけまわして、上記のような崇高なる難しいテーマなど考えたこともなかった親子が一緒になって向き合わざるを得ない状況に追い込まれたのである。
つづく