成功率はおよそ3割程度―PM(プロジェクトマネージメント)的発想で仕事を考えてみる― Ⅳ

PM(プロジェクトマネージメント)によって、事業を遂行することが苦手とされる日本企業。

数年前、撤退を余儀なくされた三菱重工の豪華客船事業、また、昨年のアベノマスクについても、その評判は惨憺たるものでした。

 

PMを自前で完遂させようとした三菱重工も、完璧を目指して優先順位を誤ったアベノマスクも、その本質が理解されていなかったための失敗事例と言えるのではないでしょうか。

現代ビジネスにおいて、極めて重要な手法であるPMを成功に導くために日本企業は今後どのように考え、行動していけばいいのでしょうか。

 

その点に関してこの記事では次のように指摘しています。

―日本企業でPMはどの程度成功しているのだろうか。(中略)

その成功率はおよそ3割程度。

そして、意外にも少人数のベンチャーや新興企業は成功率が高く、大企業ほどその確率が低くなるという。

「いわゆる歴史と伝統があり、重厚長大で組織がしっかりした大企業ほどPMがうまく機能していないのです。

それは組織が硬直化して、縦割りなど組織の壁に阻まれている上、プロジェクトマネージャーも育っていないからです。

その一方で、リクルートやソニーといった企業は大組織でありながら、いまだにベンチャー精神を持っているが故にPMの成功率は高い。

そうしたPMが成功する企業に共通しているのは、失敗を恐れず、失敗を積み重ねて成功に導いていることです。

つまり、失敗から学んでいるのです。

しかし、多くの大企業では失敗を許さない体質がある。

しかも自分たちの組織のことにしか関心がなく、お客さま視点もない。

結局は組織文化が大きく左右しているのです」(高橋氏談)―

 

「重厚長大で組織がしっかりした大企業ほどPMがうまく機能していない・・」という指摘は、まさに先述の「三菱重工」のことをよく言い表しています。

失敗を許さない体質によって、より大きな失敗を招いてしまう、或いは、然るべき成長を阻害してしまう、ということは、こういった大企業ほど起こり得るのではないでしょうか。

 

逆に「少人数のベンチャーや新興企業は成功率が高い・・」という点が気になります。

私のクライアントは、いうまでもなくほとんどが中小企業ですので、その運営にうまくPMを取り入れていって、事業を発展させていってもらいたいと考えているからです。

 

つづく

 

今日の川柳コーナー

◆いつの間に 短期記憶は どこへやら

◆ボケきても 昔のことは 覚えてる

ついさっきのことは忘れるくせに、昔習ったことは

よく覚えています。