コロナウイルスでファッション業界は大打撃―踊らされないためには・・「仕掛け」に乗るのか乗らないのか!?―Ⅰ
先日の読売新聞(7月2日)に、ちょっと興味深い特集が組まれていた。
タイトルは、『服飾「次々に新作」見直し』というものである。見出しに『コレクション改革模索』とある。
記事は次のような書き出しで始まっていた。
― 新型コロナウイルスの感染拡大で、ファッション業界が大打撃を受ける中、世界のファッションを牽引するパリやミラノなどでの新作発表のサイクルや形式を見直す動きが出てきた。
背景には、商品のサイクルが短くなり、廃棄される製品が増え、環境に負荷をかけていると批判を浴びてきたことがある。―
この書き出しを読んで「なるほど」と思う。
上記のように、これまでファッション業界は短いサイクルで次々と新しいデザインやコンセプトを繰り出してきていた。
ビッグビジネスとなったファッションの世界は、大きな収益を追求せざるを得ないような体質になってきたのだろうと思う。
そんな背景もあってか、世の中はファストファッション全盛時代である。
流行に後れることで、ダサい!と思われたくないファッションに敏感な若者などは、次から次へと新しい服に手を出さざるを得ない。
素早く流行を取り入れた安価なファストファッションを、自らもどんどんサイクルさせながら着倒すことになるのだろう。
もちろん高額所得者やセレブと呼ばれるような人たちは、ファストファッションになど頼らないでも好きな恰好をすることができる。
高級ブランドが上記のようなサイクルで送り出してくる新作を、彼ら彼女らに相応しいシーンでまとって見せ、それをマスメディアが取り上げるのである。
こういったビジネスの組み立て方に、以前から異論はあったようだ。
しかし、先述のように、すでにできあがったサイクルをぶち壊す、というところまでは至っていなかった。
ところが今回の新型コロナウイルス禍で、そんなファッション業界も事情は一変したようである。
世界のファッション業界に、いったい何が起こったのであろうか。
つづく