「情報発信」はやがて「自動発展装置」としての機能も発揮する―そろそろ「いい商品なら売れるはずだ論争」に結論を出すべき時―Ⅳ(おしまい)
さて、長々と私の所属している業界をサンプルにお話してきましたが、これは他のすべての業界にも言えることです。
自分が「いい商材」を持っていると自負しているのであれば、どんどん「情報発信」をしていくべきです。
そうしなければ「選ばれる」以前のポジションまでも到達しません。
スタートラインにすらつけないことになります。
更に「情報発信」は、それ自体がやがて自社の「自動発展装置」としての機能も発揮し始めます。
「情報発信」を続けていれば、様々な反応(レスポンス)が返ってくるようになりますが、その反応(レスポンス)に応えているうちに、企業としての力量が次第についてくるからです。
そうやって力量がついてくれば、自然と顧客は増えていきます。
ただ、先の会計事務所の例でいえば、急激に顧客が増えた場合、それに対応する過程で失敗する可能性も高いと言えます。
というのは、税務会計顧問というのは「売り切り」の商品ではないからです。
どうしても契約したあとの手間がある程度かかりますので、あまり急に顧客が増えると対応が雑になる可能性が高いのです。
そうなれば、顧客のクレームに繋がりかねません。
滑り出しで顧客は増えたものの、最初の挫折が待っているかも知れません。
ただ、仕事というのはそういう試練を経て実力がついていくものです。
とにもかくにも、まず顧客がつかなければ始まりません。
こちらか発信した情報に反応してくれた顧客に懸命に対応する過程で、こちらも成長するのです。
「いい商材」を持っているので「情報発信」を行なってその売上アップに繋げる・・・
この考え自体間違っている訳ではありませんが、そのレスポンスは「注文」だけとは限りません。
想定外の様々な反応が帰ってくる可能性があります。
そのことがまた事業を成長させるのです。
「いい商品なら売れるはず」という意識から一歩踏み出て、「情報発信」をダイナミックに展開することで新たな事業世界の構築にチャレンジしてみて下さい。
夜明けは近いのだ。
おしまい