日本企業は、まずは自己改革に専念すべきとき―財界OBが語る新型コロナウイルス禍において気づかされたこと―Ⅴ(おしまい)

今回の新型コロナウイルス禍に際して、ご自分もテレワークを行ない、「毎晩会食、土日はゴルフ」という生活がいかに異常か、この年で気づいた、とおっしゃる経済同友会前代表幹事の小林喜光氏。

「ほらね。やっぱりそうでしょ。気づかれてよかったですね。」

と、思う一方で、

「今回のことがなかったら、これまでにそんなことにも気づかれなかったのかな!?!」

とも思う。

 

中小零細企業の経営者は、そんなことも言っていられないのであろうが、中堅企業から上の経営者には、小林氏の言っておられるようなライフスタイルがあるのだろうか? 

だとすれば、確かにこれを機会にそんな生活には、決別をしていただきたいものである。

経営者には、ほかにやらなければならないことがいくらでもあるはずだ。

 

最後に小林氏は今後のこと、アフターコロナの世界について、経済同友会前代表幹事らしい発言をされていた。

 

それは以下のようなものである。

―国際環境を見ると、いち早く感染を抑え込んだ中国がさらに力をつけ、米国の弱体化が進むだろう。

米国が進めるサプライチェーン(部品供給網)の自国回帰は現実的ではなく、日本は中国と一定の友好関係を保ちつつ、米中の調和を図るような役割を演じられるはずだ。―

 

最後はいかにも財界人らしい発言である。

かなり中国寄りの感覚をお持ちのようだ。

 

確かにアメリカの弱体化は予想されることではあるが、日本は同盟関係を堅持して、できるだけそうならないように協力体制を強化しなくてはならない。

ここでもし一気に中国が力をつけたならば、世界の平和的バランスが崩れる恐れがあるからだ。

 

経済界から見れば、中国は離れられない相手なのかも知れないが、政治的軍事的には脅威の国でしかない。

「中国と一定の友好関係を保ちつつ、米中の調和を図る・・」

といったようなポジションはかなり危険としか思えない。

 

ここはどちら側につくのか、かなりスタンスをはっきりさせるべきである、と私は思う。

もちろん中国側、というのはあり得ない。

 

アフターコロナにおける日本の道筋はかなり難しそうだが、少なくとも、日本企業が何をなすべきかははっきりしたのだから、まずは自己改革に専念すべきだろう。

国際的なスタンスについては、政治の判断が誤らないことを願うしかない、と私は思っている。

 

      こうやって、お酒の飲める日が早く来ればいいのですが・・・・・

 

おしまい