小さい企業が多いとさまざまな弊害が起こる?!?―我々の顧客である中小企業の進むべき道は・・―Ⅷ

日本の中小企業の50%以上が売上1億円にも達しておらず、こういった企業は、経営に余裕がないために、有事のときにはすぐ経営が困難になる、と厳しい指摘をするアトキンソン氏。

彼の指摘はそれだけにとどまりません。

 

アトキンソン氏は「小さい企業が多いとさまざまな弊害が起こる」というタイトルで、さらに続けて以下のようなことを述べておられます。

 

―従業員数が3.4人の会社には、最先端技術も、キャッシュレス化も、ビッグデータも、イノベーションも、ほとんど無縁です。

小さい企業ほど緊急時のテレワーク導入率が低いのは、この記事の冒頭で見たとおりです。

日本だけではなく、世界的に見ても、企業の規模が小さくなるほど、最先端技術の普及率が低下することが報告されています。

 

また、企業の平均従業員数が少なくなるほど、有給休暇取得率が低下します。

企業の規模が小さいほど、1人ひとりの社員にかかる負荷が重く、休みを取る余裕がなくなるからです。

 

同じ理由で、中小企業の占める割合が大きく、企業の平均規模が小さい国ほど、女性の活躍も進んでいません。

これは世界中で確認できる傾向です。

 

人口減少と高齢化によって増加する現役世代の負担を緩和するためには、女性活躍の推進が極めて大切です。

しかし、日本では女性活躍を進めたくても、小さい企業ばかりの産業構造になってしまっているため、なかなか進めることができないのです。―

 

いやはや、中小企業の存在をここまでこと細かに批判されると、私などは普段中小企業を主として相手にしているビジネスだけに、何ともやりきれない気持ちになります。

確かに例えば「働き方改革」への取り組み一つとっても、零細な企業ではままならないことが多いのは確かです。

 

ここで言われているのは、中小企業はイノベーションが起こりにくく、労働環境も悪く、女性の進出率も低い、ということになります。

アトキンソン氏の言われるように、中小企業には様々な問題、課題がありますが、その根本原因が「規模」「大きさ」にあるとは私も考えていませんでした。

              小さな企業の現状

 

つづく