製造業はどうにかならないのか?!?―何故、国産回帰できないのか?―Ⅵ
政府の財力も医療体制も、日本とは違ってかなり進んでいるらしいドイツ。
この両国の違いはどこからきているのだろうか。
この問題は、元をたどればやはり教育体制の違いからきているようだ。
加谷氏の指摘を読んで、私は「やはりそうか・・・」と少し暗澹たる気持ちになった。
結局そこに行き着くとすれば、日本の抱える根は深い。
加谷氏はその点を次のように述べられている。
―ではドイツは、なぜこうした高い付加価値を実現し、豊かなで強靱な経済を構築できたのだろうか。
もっとも大きいのは教育である。
自国の生産能力と大学教育はリンクしている。
同国では、製造業の高い付加価値を維持するため、大学教育と英語教育を徹底的に重視している。
ドイツの大学は原則として授業料が無料となっており、この措置は外国人留学生であっても適用される。
ドイツの大学では10%以上が留学生で占められており、国内における英語通用力は極めて高い。
中国など新興国が製造する付加価値の低い製品であれば、価格が安く品質が良ければ売れるが、高付加価値の製品はそうはいかない。
顧客の問題を解決するいわゆるソリューション型営業が必要となるので、製造業でメシを食っていくには大学教育と英語力は必須といってよい。
日本では、留学生の受け入れ拡大や、大学の無償化に対して根強い反対意見があるが、こうした状況では到底、自国の生産力を強化することはできないだろう。―
結局、日本やドイツのような人材立国が行き着く先は「教育」の水準の高さ、と言うしかない。
ところが日本においては、その教育のレベルが近年著しく低下している点が度々指摘されている。
私もその点は、わりと頻繁に書いたり人前でしゃべったりしてきた。
予算に余裕がないのであれば、高齢者の福祉に多く回すよりは、若年層の教育予算に回すべきである。
私は既に高齢者の域に入っているが、自分のことより、そうして欲しいと思う。
国力が落ちてしまってはなんにもならないからである。
ここで大切なのは「ソリューション型営業」という言葉である。
日本はこの点が弱いと言われてきた。
これから世界と戦っていくには、販売促進企画力を磨きプレゼンテーション能力をつけ、それをこのソリューション型営業につなげていかなければならない。
しかし、そのことを自覚し、こういった取り組みに力を入れていかなければならない、という風潮にはまだ至っていない。
コロナウイルス禍について書きました。
つづく