日本企業凋落の原因を探る―「ジャパンアズナンバーワン」の栄光はどこへ行ったのか!?!―Ⅶ
バブル崩壊以前
・それは前例があるのかね?
・他行の動きはどうなのかね?
・金融庁は何と言っているのかね?
の3つのセリフさえ言えれば頭取は務まる、と揶揄されていた銀行業界。
今回の植田氏の指摘は、上場企業において基本的にそれと似たような構造があまり変わっていないことを意味している。
上記のような体質であったとしても、バブル崩壊前日本企業はそれでも強かったのだ。
「私的事情は投げ打って、会社のために一丸となって事に当たる。」
といった、根性論的アプローチにもまた別の意味で、いいところもあったのであろう。
ところが、バブル崩壊後の約30年の間に、世界のビジネスモデルはすっかり変わってしまった。
植田氏の指摘されるように
「今の時代なら、デジタル・トランスフォーメーションを図り、過去のビジネスモデルを捨て去らなければならない・・・」
といったような試みが必要なのだが、トップの資質において、そういったチャレンジがほとんどできないような構造ができあがっている。
東芝、ソニー、シャープといった錚々たる企業が、とんでもないジリ貧状態に追い込まれてもなお、その体質が変えられないでいるように見える。
特許など豊富な無形の企業資産と多くの優秀な人材を抱えていたはずのこれらの企業が、一向に浮上できないでいるのは、植田氏の指摘されるような体質だったからなのだろう。
私は「大企業病」というのは、企業が大きくなりすぎてセクショナリズムや派閥争いが生まれ、風通しが悪くなることが最大の要因と思っていたが、それ以外にも無能なトップの継承という悪習もあったのだ。
植田氏のおっしゃるように、もちろんこの悪しき習慣を払拭することが、日本企業復活の最大条件とは思うが、容易なことではないだろう。
とはいえ、日本の経済社会全体が相当追い込まれていることは確かである。
ここをなんとか乗り切って、日本企業復活の狼煙(のろし)を揚げたいものである。
おしまい
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