日本停滞を招きかねない、そつなく済ます文化―日本はまだまだ遅れているのか・・女性の地位について考える―Ⅳ

「働く旦那を奥さんがサポートせよ」というスピーチの「時代錯誤感」もさることながら、「なんとつまらないスピーチだことよ。」と思う私。

それは、この新郎新婦が境野さんのようなライフスタイルではなく、奥さんが専業主婦だったとしてもだ。

 

というのは、以前、何の資料だったか忘れたが、主婦の労働を賃金換算したものを見たことがあった。

細かい数字までは覚えていないが、それ相当の金額だったように記憶している。

 

まあ、それはちょっと考えてみれば当たり前のことで、もし出産子育てを、誰の手も借りないでこなすとすれば、かなりの労働量になることは間違いない。

仮に、私が「お前ひとりでそれをやれ」と言われれば、「金を払うから代わってくれ。」と逃げ出したくなることだろう。

 

ましてや、夫婦共働きの家庭であることがはっきりしているにもかかわらず、先述のようなスピーチをしたとすれば、相当ズレている、とみられても仕方がないのではなかろうか。

おそらく、この主賓は境野さんのライフスタイルに対して想像を巡らしてみることもなく、世間によくある、無難と思われるスピーチをしてしまったのだろう。

 

私は、境野さんが嘆いておられる「女性の地位に対する無理解」もさることながら、この手の催事に際して

「こういうときは、こういう挨拶をするものであり、こういうことを言っておけば無難で特に問題はない。」

というオリジナリティーの欠如に、また違った問題が存在することを考えざるを得ない。

 

話は、ちょっと大げさな方向に飛ぶかもしれないが、こういった

「以前から行なわれてきたやり方通りにそつなく無難に済ます。」

という文化が、現在の日本停滞を招いているのではないか、と思う。

すべての分野、大半の場面において「これまでやってきたこと」の、刷り直しでは済まなくなってきているのだ。

 

 

 

つづく