「明るい展望」を作るのは「自分」しかない―事業承継支援、というけれど・・・―Ⅶ

日本政策金融公庫が実施したアンケートの中で、廃業を考える理由のうちダントツ一番だった「当初から自分の代かぎりでやめようと考えていた、38,2%」というもの。

これにはいささか驚かされたのですが、2番目の理由は「事業に将来性がない27,9%」という回答でした。

 

この二つを合わせると、66,1%にもなります。

そのあとに続く「子どもに継ぐ意思がない、12,8%」「子どもがいない、9,2%」「適当な後継者が見つからない、6,6%」を合わせても28,5%ということで、後継者難による廃業予定が深刻というよりも、事業そのものに長期的な展望が持てない、という思いの方がはるかに多いことになるのです。

 

この結果を見ていて私は、

「自分の代で終えるかどうかはともかく、もう少し将来への明るい展望が期待できる事業構想が持てるようなビジネス環境にならなければ、事業所数は減る一方だろうな。」

と思いました。

明るい展望が持てるような要素が、今の日本の経済状況にはないのです。

 

とはいえ、「明るい展望」を作るのは「自分」しかないわけで、「世の中が悪い。」「政治が悪い。」とか、いつまでも言っていても始まりません。

「明るい展望」を持つにはどうしたらいいか、自分で考えるしかありません。

 

例えば、私の所属する会計人の世界は、AIの発達によって職域が奪われる最大の業界と予測され、将来性についてはけちょんけちょんに言われています。

実際、税理士の資格を目指す若い人も減少しているようです。

 

しかし、果たして本当にそうでしょうか。

私は、全くそうは思いません。

おそらく、今後も中小企業は、何らかの外部からのサポートを必要とするでしょう。

これからの経営はますます複雑で難しくなり、アドバイスを求める外部専門家の存在は不可欠となると考えられます。

 

AIで処理された的確なデータを、その企業が抱える問題解決に自在に活かしていくといった仕事は、人間の頭脳にしかできません。

そういう意味では、会計人の中小企業の外部専門家としての存在意義は、ますます大きくなっていくだろうと思っています。

 

明るい展望が欲しい。

 

つづく