多くの人種が入り混じって普通に暮らす風景?ー移民について考えるーⅥ

移民がもたらす数兆ドルに上る経済的利益は、移民が受け入れ国の社会的、政治的、経済的な側面に負の影響をもたらす場合、容易に相殺される・・・と、主張するジョージ・ボージャス氏であるが、彼のこういった見解についてさらに検討を加えていきたい。

 

ボージャス氏の主張は結局、以下のような内容になる。

 

―移民が受け入れ国の経済にプラスの影響を与えることは長期的にはあるかもしれないが、それには不確定要因が多く、あまり明確ではない。

短期的には、移民はプラスどころか社会保障サービスの利用などで財政負担となる可能性が高い。(経済的影響だけでなく、移民がもたらす社会的、政治的影響を考えれば、さらにマイナス要素が増す可能性がある)。―

 

移民の受け入れについて、ボージャス氏は、このように極めて悲観的な結論を下している。

この結論から行けば、移民を受け入れていくことについては慎重にならざるを得ない。

 

「外国人技能実習性」という名目の、何とも曖昧な形で外国人労働者を受け入れている日本の場合はどうなるのか、考えざるを得ない。

制度の制約は設けられているとはいえ、長期的には移民と同様の形で日本に永住していく可能性は高い。

 

その人口割合がどんどん増えていったとき、日本社会はいったいどのような姿になっていくのであろうか。

数十年経ったときには、アメリカやヨーロッパ諸国のように、多くの人種が入り混じって普通に暮らす風景が当たり前のような世界になっているのであろうか。

 

長い間、単一民族で暮らしてきた日本人に、そのような社会が受け入れられるかは何とも言えない気がする。

いずれにしても、そういった社会に進みつつあることは確かなようだ。

 

 

つづく