「聞きにくい雰囲気」を作っていた?!?―税理士=怒る人、について考える。何故そう思われているのか・・―Ⅵ
税理士に対して
「会ってもどうせ怒られるだけだから、会いたくないよう。」
という後継者。
初めは驚いたのだが、どうしてこんなことになってしまったのであろうか?
一つはこちら側(税理士側)からあえてそうしていた、という事情があったのではないか、と私は思っている。
税理士というのは「先生」と呼ばれる職業である。
私は、そんな風に呼ばれるのは決して好きではないが、世の中的には普通にそう呼ばれることが多い。
つまり、いろいろなことを聞かれても、立場上「それは知りません。」とは言いにくい職業なのだ。
従って、それを相手に悟られないために、あえて「聞きにくい雰囲気」を作っていた、ということはないだろうか。
その「聞きにくい雰囲気」を演出する一つの方法論として、いつも怒ってみせるという手が考えられるのである。
「下手なことを聞くと、また怒られるから・・・」
という意識を相手に植え付けるということである。
いつも気難しい顔をしていて、何か聞かれたらギロっと睨み返す。
こんなことを続けていたら、相手はやがてなにも聞かなくなる。
それこそがこちらの狙い、という訳である。
また「怒る」というのとは少し違うが、難しい専門用語で煙に巻く、というのもある。
税務会計の用語は、結構小難しくて、普段一般の人の耳には馴染みのないものが多い。
そんな専門用語を羅列してまくしたてられたら、会計に関して素人である経営者は、まずもってわからないだろう。
いちいち質問するのも憚られる雰囲気でもある。
まあ、そんなこんなでやがて顧客である経営者は
「何かとおっかないから、初めから距離をとっておこう。」
となったのではないか。
これが「威厳がある」とか「貫禄がある」とか、ポジティブに捉えられているうちは良かったが、2代目ともなると、さらに距離が空いてしまったのではないか。
つづく