摩訶不思議な世界観、年配者と若者の「意識のずれ」―お金になるの?女の子にもてるの?思わず笑った世代間ギャップ―Ⅳ(おしまい)
義兄達は、典型的な「昭和の人」である。
それは何も昭和生まれというだけでなく、ビジネスマンとして一番脂の乗り切ったときもまだ昭和だった、ということだ。
私は、30代半ばが昭和の最後の方だったので、よく働いた時期が昭和から平成にまたいでいる。
高度経済成長時代、伸び行く日本経済の下で頑張りぬいた義兄達には、何か実利的に掴めないものへの投資、といった考え方はあまりピンとこないのかも知れない。
このやりとりを見ていて、私はこのブログに昔書いた或るテーマを思い出したのである。
それは、作家の百田尚樹氏が著書「大放言」の中で書かれていた「自分探し」をしたいという若者についての記述である。
そこでは、次のようなやりとりが書かれていた。
― 自分を探すバカ
世にも奇妙な会話
会社を辞めたいという若い社員(20代前半)と社長(60代後半)の会話。
社長:「なんで会社を辞めるんや?したいことがあるんか?」
社員:「自分探しの旅に出ます。」
社長:「おまえはここにおるやないか」
社員:「そんなんじゃなくて・・・本当の自分を探すためにインドに行くんです。」
社長:「お前のルーツはインド人か?」
社員:「違いますけど」
社長:「長いこと行くんか?」
社員:「とりあえず半年くらい」
社長:「半年で自分が見つかるんか?」
社員:「さあ」
社長:「自分が見つかったら、何するんや?」
社員:「まだ決めてません」
若者も社長もお互いに、こいつは何を言ってるんだ、という顔をしている。
社長は若い社員の辞める理由が理解できないし、社員は社員で自分の言葉が通じないのに呆れている。―
百田氏は極めて批判的に書かれているので、息子と義兄達との会話とは必ずしも一致しないと思うが、年配者と若者の「意識のずれ」という点では似ているのではないだろうか。
私は、息子の趣味については昔から知っていたので「そんな世界もあるんだろうなあ・・」くらいに思っていたが、初めて聞く人には、摩訶不思議な世界観なのだろう。
これからもこんな面白いやりとりがあるんだったら、是非ともその場に立ち会いたいなあ・・・
みんなでコスプレ、という訳でもないんですが・・・
おしまい