「パリ国際会議」に出席して―久しぶりのヨーロッパ短期滞在見聞録―Ⅷ
派手な音響効果とともに「パリ国際会議」が始まった。
演出としては、映画などでよく見る外資系企業の大型コンベンションのようである。
会長の挨拶、社長のスピーチなど所定のプログラムが進んでいく。
M&A事情でいえば、今後、アジア近隣諸国を含めた国際社会での提携が重要な課題となっていくのであろう。
我々が顧問契約をしているのは地域の中小零細企業である。
それほど大きな話がいきなる決まるわけではない。
しかし、近隣諸国との連携であればそんなに遠い話でもない。
今後はM&Aについてもそういったスケールで、ビジネスの領域を広げていくのだろう、と期待を持たせてくれる。
国際会議、その後進行としては、新規事業部門の独立子会社化、今年度の事例発表に続いて、M&A実績の年間表彰、それぞれの受賞者の挨拶など所定のプログラムが続いていく。
年々、新規参入者を含めて、多くの会計人がこの仕事に関わってきていることがわかる。
これまでの事例については毎年、映像を通してその経緯などが紹介されるのだが、ここでは必ずと言っていいほど様々なドラマが生まれていることを知る。
画面に編集されていない、裏側にもきっともっといろいろなドラマがあったのだろう、と想像されるのだ。
その後、昼食を挟んで、大型事務所の合併事例が、それぞれのトップが参加するパネルディスカッション形式で発表された。
買収する側される側、それぞれの思惑や構想、展望などを持っての合併であったことが伝わってくる。
お互いに共通しているのは、どちらとも未来志向である、ということである。
単なる規模の拡大を狙ったものではなく、シナジー効果を十分に視野に入れての合併であることが理解された。
我々の業界も、これからはこういったスケール感をもって事に当たらなければ、大きな意味でのビジネス社会から置いていかれることだろう。
今後の事務所経営を考える上で大いに参考になった。
パリ国際会議の開幕。
つづく