「いい思い込み」と「悪い思い込み」を知る―脳の構造的支配から自らの意識を解放する―Ⅶ(おしまい)

「思い込み」が人間の心に築いてしまう心理上の壁、そしてそれが崩壊した時に起きる劇的な現象・・・

この面白さについて、このコラムでは次のようにまとめている。

 

―このお話では、「いい思い込み」と「悪い思い込み」が存在しました。

「いい思い込み」とは、あなたのパフォーマンスや今を変えてくれる思い込みです。

バニスターが4分を切ったことにより世界中に「できるんだ」という視点が生まれて行動が変わり、 結果も変わった部分です。

悪い思い込みとは、自らのパフォーマンスを制限する思い込みです。

全世界が「1マイル4分の壁を破るのは人類には不可能」と思い込み、世界はその通りになってしまっていたという部分です。(中略)

ここで重要なのは、人類には不可能だと言われていたことでさえ、「思い込みが変わると実現できる」ということです。

ならば、意図的に「今の思い込み」を変えることができれば、あなたの「今」も変わるということになります。―

 

こうやって見てくると、ある意味、人生は「いい思い込み」と「悪い思い込み」の繰り返し、連続である、という気もしてくる。

人は、日常何かを決めなければならない時に、軽い意味で常にこの二つを使い分けているのではないだろうか。

 

ただ言えるのは、人間の普通の心理として、重大かつ前向きな決断を下さなければならない時ほど、この「悪い思い込み」が大きな壁として立ちふさがるのではないか。

重大な局面ほど「いい思い込み」をあえて持ってくるべき、と私は思っている。

 

私自身、困難な挑戦や局面を迎えたときに

「いや、こんなことよりはるかに大変な事態を乗り切った人たちはいくらでもいるんだ。」

と、自分に言い聞かせるようにしている。

到底無理と周りから言われていた事業を成し遂げた企業家、勝てるわけがないといわれていた勝負をひっくり返したスポーツ選手、生存不可能な状況から生還した冒険家など、先人の功績を挙げればきりがない。

 

自分に蓋(ふた)をしないで挑戦すれば、いろんなことは成し遂げられるのだ。

今そう信じてチャレンジしていることがある。

この挑戦が成功するまであきらめないつもりである。

 

 

おしまい