マトリクスでものを考える―多軸設定で頭の中を整理してみる― Ⅱ

経営に関するマトリクスが、結構複雑にならざるを得ないもう一つのサンプルとして、前述した

「黒字化への打ち手として縦軸を難易度、横軸を即効性に設定したマトリクス」

からさらに一歩進め、深化させたものをご紹介します。

 

その深化させたものが「成長性のマトリクス」です。

最初のマトリクスでは「難易度」と「即効性」だけを課題に縦横の軸を設定しましたが、これだけでは企業の「成長性」が図れないと感じたからです。

現代の企業活動において、現状維持は「停滞」場合によっては「後退」を意味し、「成長」の追求無くして企業の存続を図ることはできないと考えました。

 

そこで今度は縦軸を「成長性」横軸を「難易度」に設定しました。

「成長性」は下から上に向かって、低い成長性から高い成長性へと向かうように設定し、「難易度」は左から右へ向かってやはり低い難易度から高い難易度へと向かうように設定しました。

 

このマトリクスでも、前述のように4つの窓ができますが、そこに入る項目は左下と右上にしか発生しません。

マトリクスにはこのように、2つの軸が交差し、4つの窓ができたとしても、窓自体は2カ所しか使わないというケースも出てくるのです。

 

このようにマトリクスは使い方次第で、様々な考え方や主張、分析などを表現することができます。

特に、何かの課題について、その解決策を探らなければならない事態に直面した時に、解決に至る要素が錯綜しているときは、頭の中を整理するのに極めて有効なのです。

 

 

つづく