久しぶりのクラシックコンサートー感動と思わぬ出会いーⅡ
さて、コンサートホールに着くと開場を待つ長蛇の列。
それとは別に当日券を買う短い列があったので、私はその最後尾に並びました。
しばらく列が進むのを待っていると、そばにいた年配の女性二人連れが声をかけてきました。
「チケットをお買いになるの?」
「はあ、当日券を買おうと思って・・」
と私。
「よろしかったら、チケットお譲りしましょうか。」
「え?・・・」
一瞬の思わぬ展開に戸惑う私。
「グループで聞きに来たけど、余っちゃったのよ。わりといい席ですよ。」
「あ、ああ・・よろしいんですか。助かります。」
と、チケットを受け取りました。
おそらく、窓口で買ってもロクな席は残っていないだろうと持っていたので、これはありがたかったのです。
「あ、あのぉーせっかくのいい席ですので、いくらかお支払いしましょうか。」
と私が言うと、
「そうねえー、1万円くらいのいい席だから3千円でどうかしら。」
「あ、いいんですか。ありがとうございます。」
私は3千円渡しながら、
「お孫さんにケーキでも買ってあげてください。」
と、つい余計な一言を。すると
「ま、『お孫さん』なんて・・・」
と、ちょっと気色ばんだので
「あ、失礼しました。ひ孫さんにどうぞ。」
と、更に余計なことを言ったもんだから、
「もう、チケット返してもらおうかしら・・・」
と、半分マジに怒りそうになったので、
「あ、失礼しました。冗談です、冗談。どうもありがとうございました。」
と、その場を退散しました。
チケットの指定席は真ん中よりやや左にずれていたものの、前よりのいい席でした。
席についてしばらくすると、先ほどのご婦人たちが隣の席にやってきました。
ご機嫌はもう治っていたようで、にこやかにご挨拶。
このお歳になると、グループで計画しても、なにかしらのトラブルで、当日欠席者が出るのはやむを得ないのかも知れません。(おっと、また失礼!)
つづく