市場(顧客)を基点に、マーケティングの2面性を考えてみるⅠ

 

 

「業績が上がらない。どうにかしなければならないのだが、打ち手が見つからない。何をどうすればいいのかわからない。」

一向に業績が上向かないお客さんの声です。

本当になんの打ち手もないのでしょうか。

 

ただ嘆いているのではなく、もう一度冷静にロジカルにやることはないのか分析検討してみてはどうでしょうか。

そう考えたときに改めて「マーケティング」という言葉が頭に浮かびます。

 

「マーケティングとは、こちらの提供する商品やサービスをいかに市場(顧客)のニーズに適合させていくかを追求する方法論である。」

 

これが昔から変わらない私のマーケティングに対する定義です。

つまり、市場(顧客)に合わないものをいくら提供していても買ってもらえず、商売が儲かることはないからです。

 

商売を上向かせるには、マーケティングの理屈にかなった手を打っていくことが極めて有効なのです。

顧客が喜ぶものを売っていく、売れるものを売っていく、あまりに当たり前のことであって、今さら申し上げるほどのことでもないように思えます。

 

ところが、現代社会においてはこれが結構難しい話になってきました。

というのは、先述の「市場(顧客)のニーズ」という奴が、実に流動的変化が激しく、その上かなり細分化されてきているからです。

 

流動的というのは変化のスピードが速いということです。

しかも、その振り幅が結構大きいのです。

ヒット商品として昨日までもてはやされていたものが今日にはもう陳腐化している、というのは当たり前の世界になってきました。

 

一方、細分化というのは、顧客の要求が我が儘になってきた、と言い換えることができます。

「誰にでも合うものではなくて私に合うものが欲しい。」

というのが今の消費者の要求です。(極端な言い方をしているのは承知の上です。)

またその要求に応えることが、昔に比べて供給側の事情でかなり可能な世の中になってきたという背景もあります。

 

 

つづく