地方衰退の原因と再生の処方箋を考えるⅥ(おしまい)
木村氏は、民間と行政の関係について次のように結論付けておられる。
― 逆にいえば、民間が「そんな損することなんか、わざわざやってられないよ」、「やはりリスクは行政に負ってもらわなくては」などと言い出して、地元での事業開発に取り組むことを諦めたら、再生することは基本的にないとも言えます。
「地域活性化は政治・行政の仕事だ」、などと本気で思ってはいけません。
それこそ、地方衰退のスパイラルに根本的に犯され、「衰退の無限ループ」から逃れられないのではないでしょうか。―
実を言うと、私は「行政と民間が連携して地域を発展させる。」というモデルがいまだによく分からない。
これは批判ということではなく、素直に申し上げてピンとこないのである。
事業のモデルがよく見えてこないのだ。
行政が中央から回ってきた補助金をハンドリングして民間との共同事業を立ち上げていく、というモデルそのものが大いなる自己矛盾モデルなのかも知れない。
そんなものは、税理士に向かって「もっとクリエイティブな仕事をしろ!」と言っているようなもので、この世では成立しないのだ。(例えが悪くて申し訳ありません。)
しかるに、補助金や助成金はいまだにありがたいもの、なんだかすごく得するものというイメージが、特に地方の場合ぬぐい切れていない。
もらわないと損をする、と平気で言う人もいる。(もらえなかったからと言って別に損するわけないのだが・・・)
しかし、現行制度の中では、こういった補助金による事業モデルは成立しないもの、といい加減気付くべきである。
民間の事業は100%民間の力で、というのが、私も木村氏と変わらぬ思いである。
おしまい