「のれん」と「ブランド」について考える―「あるもの」と「なるもの」の違い―Ⅵ(おしまい)
情報発信を先にやる、というのは、日々取り組んでいる日常業務に関する情報やコメントを発信しながら、時代に応じた戦略を固めていく、ということである。
大きな方向性にブレがなければ、このやり方でもブランドの形成は可能なのではないかと思っている。
「のれん」が長い事業活動の結果「あるもの」だとすれば、「ブランド」は意思を持って「なるもの」であろうと思う。
ブランド化が企業経営に有利であると仮定して(大抵の場合、有利だと思うが・・)この「あるもの」を活かさないのはもったいない、というのが私の考えなのだ。
おそらく、日本の多くの中小企業は「のれん」を「ブランド」にまで昇格させようとはしていない。
おそらく、初めからそんなことは不可能だ、と思っているからである。
というより、もっと多いのは「そんなことは考えたこともない。」ということではなかろうか。
これはもったいないことだ、と私は思っている。
どんな企業でもブランド化はできるはずである。
そこへ向かって、明確な意図を持って取り組めば不可能なことではない。
それを可能にするのはこれまで書いたように、その意図を持つこととプラスそのメッセージを発信し続けることである。
いずれもトップの決断と行動が不可欠である。
簡単なことではないが、やりがいのあるチャレンジには違いない。
おしまい